神の国はあなたがたから取り去られ、神の国の実を結ぶ民に与えられます。マタイ21・42
キリスト教の神様は不公平でえこひいきをする神様だ。そう言われると意外な感じがしますか。実は、神様はアブラハムという人を選び、その子孫をイスラエルという民族にし、そのイスラエルを特別扱いし、えこひいきしました。それは、イスラエルを通して地上のすべての民族を祝福するためでした。
ところが、イスラエルは神様の特別扱いにもかかわらず、他の神々を拝みました。その結果、大国の支配下に置かれ、二千年近く独立国家となることができない憂き目にあいました。キリストが活動した時代にも、イスラエルはローマ帝国の属州に過ぎなかったのです。ところが、イスラエルの宗教指導者たちは、自分たちが神に選ばれた特権階級であるかのように振る舞っていました。
神の救いは民族によらない。ただ神を信じて生きる者に与えられる。もういっさいのえこひいきはないのだ、とイエス・キリストは語ります。特権意識にあぐらをかき、神から離れている宗教指導者であっても、神の救いを受け取るチャンスがある。そのためにイエス・キリストは十字架にかかるのです。