カナンの偵察

私たちはぜひとも上って行って、そこを領しましょう。必ず打ち勝つことができます。民数記13・30

大きな病気になり大変な手術が必要になったら、不安になるでしょう。しかしもし、世界一の外科医が手術を担当することになり、同じ手術で一度も失敗したことがないということになれば少し安心するかもしれません。病気という事実は同じでも、信頼できる人が治療にあたるなら気持ちが変わることもあります。
聖書に登場するイスラエルの民は、そういう意味では絶対的に信頼できる神様がついていてくださるので、何の心配もないはずでした。ところが、これから入るはずの約束の土地を偵察に行った十二人のうち十人は、敵が強いとひるんで消極的な姿勢を見せます。二人だけが、神様がついているのだから占領しようと言いますが、イスラエルの民は恐れてエジプトに帰ろうと言い出す始末でした。
キリスト教で「信仰」と呼ばれるものは、神様に対する「信頼」のことです。目に見えるできごとよりも、神様の力や愛を信頼することです。これまでイスラエルに目をかけてよくしてきた神様は「信頼されない」ことに悲しみ、怒り、これが原因でイスラエルの民は、四十年間荒野をさまようことになりました。

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