神のものは神に

それなら、カエサルのものはカエサルに、神のものは神に返しなさい。マタイ22・21

物価高の昨今、減税を望む声が強くなっているように思います。二千年ほど前聖書の舞台であるイスラエルでも、税金は人々の関心事でした。上のことばは、カエサル(ローマ皇帝)に税金を払うのは聖書の教えにかなっているかと問われたイエス・キリストの答えです。質問者たちは、もしキリストが「税金を払うべきだ」と言えば、ローマに税金を払うことに嫌気がさしていた民衆の支持を失うだろうと考えました。また「払うべきでない」と言えば、皇帝への反逆罪で訴えるつもりでした。
どちらに答えても損をする質問に、キリストは上記のことばで切り返し、質問者たちは驚いて帰って行きました。
イエス・キリストの答えの重点は、ローマ皇帝への納税の是非にあるのではありません。後半の「神のものは神に返す」というところにあります。神を信じる人たちは、税金であれ、政治であれ、近所付き合いであれ、神の教えに従って判断せよということです。キリスト教徒は、神の教えに照らし合わせてこの世界を見て、世界が少しでも良くなるように働く人たちなのです。

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