系図に刻まれたモアブ人

オベデはエッサイを生み、エッサイはダビデを生んだ。ルツ4・22

ルツ記は聖書の中でもとりわけうるわしい物語です。異国の地で夫と息子を亡くしたやもめナオミ。ナオミの亡き息子の妻、義娘のルツ。ルツは夫の死後、帰郷するナオミについてエルサレムに行きます。ルツの誠実な働きぶりと、姑への愛と献身は評判になり、有力な親戚のボアズがナオミの畑を買い戻し、ルツを妻として迎えます。そしてボアズとルツの間に生まれた息子がオベデです。オベデの息子はエッサイ、エッサイの息子は後にイスラエルの王様となるダビデです。さらに、このダビデの子孫をたどるとイエス・キリストの育ての父、ヨセフにつながります。なんとも不思議なことです。
ルツはナオミの息子マフロンが、異国の地モアブでめとった、モアブ人の女性でした。血筋を大切にするイスラエルの系図の中に、外国人が含まれていることは驚きです。しかも、聖書の教えの中にはモアブ人はイスラエルの神様の集会に加わってはいけないとあるにもかかわらず。ルツ記の物語は、良い人たちの誠実な生き方の物語です。同時に、背後で歴史を支配する神様の物語です。たとえこの世界に希望がないように見えても、神様は世界を治めています。そのことを信じるとき、この世界に対する希望が生まれてくるのです。

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